フェッセンデンの宇宙 (エドモンド・ハミルトン / 河出書房新社) ISBN:4309621848

フェッセンデンの宇宙

主な初出が1930年代という半世紀以上前のものがほとんどのSFを中心とした短編集。
傑作揃いの作品が詰まった奇想コレクションシリーズ第4弾。
9編収録、357ページ。


これまで読んだ奇想コレクションシリーズはSFとしてのテイストは弱めで
どちらかというとちょっと不思議な物語といった系統でしたが
この作品集はあまり宇宙そのものは出てこないものの、
まさに直球AFといったものばかりでした。


「フェッセンデンの宇宙」
フェッセンデンの忌まわしい実験、それは極小の宇宙を作り出した。
彼はその中に生まれた生命を実験材料と考えていた。


まさに神の具現化。
よくよく考えるとタイムスケールに違和感が残りますが、
そんなものは作品の出来とは全く違うところでしょうね。
まだ地球も神に見つかっていないだけかもしれないという…


「風の子供」
未開の高地にあるという黄金を求めてブレントは
地元の民に「風の高原」と呼ばれるところにやってきた。


これは唯一のファンタジーになるのかな。
風は気まぐれ、つかみどころはないけれど
それぞれに意思があったらやっぱりこわいですね。


「向こうはどんなところだい?」
ハッドンは火星から帰ってきた。
そして彼は彼と共に火星へ行き、帰ってこなかった仲間の
家族のもとへ赴こうとしている。


これは戦争帰還者の話にもまるまる置き換えられるような話ですね。
執筆当時にどこの雑誌にも掲載を断られてしまったというのも
この話の深みを増しているような気がします。


「帰ってきた男」
ジョン・ウッドフォードが目を覚ますとそこは棺の中だった。


これはまさに奇想の話、だんだんと居場所がなくなっていってしまうさまが
あわれでならないですね…


「凶運の彗星」
地球に近づく巨大な彗星、それは日を追うごとに大きくなってきている。


なんともレトロチックなSF。
しかし驚くべきは初出、1928ですよ。驚愕です。


「追放者」
キャリックは言った。
「俺は自分の創造した世界に行ってきたんだ」


10ページ足らずの小品ですが、ラストで大きく反転。
そ、そんなーー。


「翼を持つ男」
デイヴィッド・ランドは生まれた瞬間に孤児になってしまった。
そして、彼の背中には大きな翼が…


悲しい寓話で、男性と女性というものの違いも浮き彫りにしているようです。
男性だったらデイヴィッドに感情移入してしまうでしょう。


「太陽の炎」
あらすじがうまく書けなかったので感想だけで、すみません。


水星が舞台のSFというものは初めて読みました。
そして水星がこんなに暴力的なまでに活発な星ということも初めて知りました。
そして人の目に触れないところには何かがひそんでいるのではないかということも…


「夢見る者の世界」
カール・カンはジョタンの王子、砂漠の民の娘「黄金の翼」の器量に惚れ、
連れて帰ろうとするが、逆に捕まってしまう。
そして彼は拷問のあと、ゆっくりと眠りに落ちる…


あらすじだけ見たら純粋なファンタジーですね、
だけど全然そうではないんですね。

第9回 NHKマイルカップ (東京競馬場 / 1,600m)

なんか雲行きが怪しいのですが…
まあ降ってもそんなに道悪にはならないと思われますので
予想は変わらないかな。


メイショウボーラー
なんだか信じられないほど評価が低いのにはびっくりです。
このレースは実はマイラーというよりは中距離を得意とする馬が勝つ傾向があって
特に2,000mを経験したことのある馬が強いです。
そんな訳で、きついレースをしておきながら好結果を残してきたこの馬が
好走しないはずがないでしょう。


シーキングザゴールド
いやー、お母さんがこのレースで勝ったのを覚えているだけにねえ。
強かったですよ。
内枠だし、逆武マジックもないでしょうよ。


コスモサンビーム
3歳チャンプもいまひとつパッとしませんね、
わざわざこちらに回ってきたということは距離適性を見込んでのことでしょう。
ここでは改めて期待してみたいです。


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