「透明人間の納屋」 (島田荘司 / 講談社) ISBN:4062705613

隣に住む真鍋さんはぼくに何でも教えてくれ、そしてなんでもできる人だった。
印刷工場を経営する彼はまた、納屋に透明人間になれる薬を作る機械も持っているのだ、
そんな中、真鍋さんの知りあいの女性がまるで透明人間に連れ去られたかのように消えうせて、
その後、殺されて発見された…
330ページ。


島田荘司氏の作品は初めてです。
「かつて子どもだったあなたと少年少女のための”ミステリーランド”」というレーベルの本で、
実際に少年少女にも読みやすくするためか、
文字は大きく、漢字にはルビがふってあるという徹底ぶり。
装丁もすごく凝っていて(上のリンク先をご覧になると分かるかと思います)なかなか趣のあるシリーズです。


とすると中味も子供むけなのかというと、この話に関しては全くそうではないのがちょっと疑問。
ミステリというよりは社会派小説みたいな感じで、
あんまりにドロドロとした内容は子供が読んで楽しめるものではないでしょう。
一応ミステリでもあるのですが、真相があまりに乱暴であんまり感心できず、
ラストもいまひとつすっきりしないので、読後感はなんだかちょっとモヤモヤしてます…