「ふたりジャネット」 (テリー・ビッスン / 河出書房新社) ISBN:430962183X

SFというカテゴリにおさめてしまうのはもったいない
奇想コレクション」第三弾の短編集。
8編収録、380ページ。


これはこれは、外れなしの短編集って久しぶりですなあ。
いきなり爆笑必至の「熊が火を発見する」「アンを押してください」から始まって、
タイトルから想像した話とは180度違った「英国航行中」といった
コミカルな作品揃いでおおいに楽しめます。
電車の中で笑い声を押さえるのが大変でしたよ。


後半3編のウィルスン・ウーと主人公・アーヴィンの話
「穴のなかの穴」「宇宙のはずれ」「時間どおりに教会へ」の3編は
ハチャメチャを地でいく大胆なSFで、
手書きの(漢字混じりの)計算式や、発生した事象の解決法など
まさに変すぎるお話でした。
アーヴの行く先々に電話をかけてくるウーの存在こそが怖いような気もするが。


SFとホラーは近しい関係にあることを再認識させる
「冥界飛行士」なんかはこの作品集の中ではちょっと浮いている存在だったかも。


この調子で他の奇想コレクションも読んでいこうと思います。
(読むのは決して速くないのですが)