文学賞メッタ斬り! （大森望・豊崎由美 / PARCO出版）ISBN:4891946822

芥川賞・直木賞からローカルな文学賞まで50を越える賞を様々な視点から批評した対談本。
390ページ。

作者二人のかけあい対談で進められる内容は謎の多い選評を
あげつらうものが多く（特に芥川賞と直木賞について）、
まあよくとらえているなあと感心させられます。
個人的には直木賞が受賞時期を誤っているというのは知れたことなので
何故そうなるのか、などのもう一歩ふみこんだ解釈が欲しかったです。

あと二人の読書傾向や好みが似通っているせいか
ある一定のベクトルがかかってしまっているのは残念なところ。
もう一人二人違った視点の人がいてもよかったかもしれません。

充実した欄外脚注なども合わさって読み応えは充分でしたし、
私自身ほとんど知らない文学賞も面白く紹介されていましたので
全く退屈することはなかったので満足度は高かったです。