ねじの回転 (恩田陸 / 集英社) ISBN:4087745856

ねじの回転

人類を悲惨な運命から救うべく、国連に歴史の介入点に選ばれた1936年2月26日、東京。
時間遡行によって歴史を修復するため選ばれた安藤大尉らには別の思惑が…。
444ページ。


2.26を使ったSF作品ですが、なんか微妙。
魅力的な設定をうまく生かしきれなかった感じです。


歴史改変を狙ったのではなく、
歴史を正確になぞろうとするというメインの設定はいいのですが
それを阻止しようとするものの存在がまったくうまく描ききれていないのが原因で
いつのまにやら違う展開に入ってしまっていたなという印象です。


特に感じられたのが中盤で起きるある異変について
戦前の人間であるはずの軍人がほぼ正しい行動をとってしまうといったところなどに
作者のご都合主義的な部分を感じ取ってしまい
そのあたりに違和感を感じてしまいました。
そのあたりでもっと錯綜してもよかったのではないでしょうか。
そうなったら取替ええしがつかなくなってしまうんでしょうけども…


やっぱり最後がいまいちだったなというところか。
★★