ネフィリム 超吸血幻想譚 (小林泰三 / 角川書店) ISBN:4048735543

ネフィリム 超吸血幻想譚

最強の吸血鬼であるヨブは少女ミカと出会い、血を吸うことをやめた。
そんな彼をつけねらうストーカー・J。
彼らの戦いに人間の対吸血鬼組織「コンソーシアム」のランドルフがからみ
大規模かつ凄惨な戦いが始まろうとしている。
313ページ。


う、うーん。
相変わらずのスプラッタかつトンデモSF作品であることに変わりはないのですが
その全てが陳腐かつありふれたものになってしまっていて全く面白くないです。


唯一面白いところは「コンソーシアム」に所属するドクターの暴走っぷりで
吸血鬼退治のためにつくりだした「内骨格」と呼ばれるもので
さらに状況を混乱させてみたりとやりたいほうだいなところはすさまじいです。


しかしそれ以外の面は全てグダグダ。
登場人物の心理面の描写も納得いかないものが多く、
なによりヨブがどうして人間の少女ミカに惹かれるのかが全く分かりません。
謎も全て明らかになっていない挙げ句、続きそうなラストになっていて
全く煮え切らない内容、失敗作と言えるでしょう。