プリーストリー氏の問題 (A.B.コックス / 小林晋訳 / 晶文社) ISBN:4794927444

プリーストリー氏の問題

活気のない人生を送っていた独身紳士プリーストリー氏、
ある夜見知らぬ美女に助けを求められ、ある屋敷に忍び込んで手紙を盗み出す手伝いをするハメに。
しかし屋敷の主人に見つかってしまい、空砲の拳銃を撃ったところ、
その拳銃には実弾が装填されていたらしく…
358ページ。


コミカルで楽しい作品なのですが
どこか現実を直視していないんじゃないかというような浮世っぷりのキャラクタばかりで
どうにもそこらへんに対してすわりが悪い気分でした。
なんせ殺人犯として追われているというのに自宅に戻ってくつろぐなんて思わないでしょ。


中盤でヒロイン・ローラとプリーストリーは手錠で繋がれたまま逃避行するはめになるのですが
ここらへんはとても楽しく描かれており、
ブコメチックな展開には笑わさせてもらいました。
事件そのものが取り返しのつかないところまでいってしまうドタバタ劇も質が高く
とても面白いのは事実なのですが、
最後まですわりが悪かったというのは何故なんでしょうか。


★★★