BG、あるいは死せるカイニス (石持浅海 / 東京創元社) ISBN:448801707X

BG、あるいは死せるカイニス

天文部の合宿の夜、姉は学校で殺害された。
全人類生まれた時はすべて女性、のちに優秀な女性の一部が男性に転換するという世界において
「男性化」の有力候補だった姉は何故、殺されなければならなかったのか。
297ページ。


サラサラ読めてリーダビリティがすごくいいですね。
特異な世界観ですがすっと理解できるものになっていますし、
事件そのものもこの世界観に根付いたものなので無理がないなと感じられました。


しかしこの世界でも謎とされるものが出てくるため
その顛末に関しては全く読者に理解できるわけがなく
そのあたりの描写にページ数が裂かれてしまって
ちょっとバタバタしているのが気になります。


丁寧で素直な作品ですがちょっと説明事項が多すぎて窮屈な感じになってしまったのが残念でした。
★★★