HEARTBEAT (小路幸也 / 東京創元社) ISBN:4488017150

HEARTBEAT

優等生の委員長と不良少女の淡い恋。
彼らは別れる時、あることを約束した。
彼女が自力で自分の人生を立て直すことができたなら、十年後あるものを渡そう…
そして約束の日、彼の前に姿を現したのは彼女ではなく、
彼女の夫と名乗る人物が現れ、彼女が行方不明になっていると告げたのだった…
315ページ。


HEARTBEATという素材が中盤から後半にかけてうまく生かされている。
心優しい主人公、「委員長」原之井の純粋で素朴で胸を打ちます、
二つのエピソードを絡めつつ最後にひとつにまとまるという展開は
そう珍しいものではないかもしれませんが
最後まできわめて論理的に解説されていくので妙なところは感じませんでした。
それだけに最後の解決過程があっさりしすぎだったし、
方法がかなりトンデモないですね、そこらへんが残念でした。


それにしても読んでいて心地よいのは登場人物達の純粋なところ
まさに青春小説としての手ごたえが抜群でした。


★★★