銃とチョコレート (乙一 / 講談社) ISBN:406270580X

銃とチョコレート

少年リンツの住む国で「ゴディバ」と呼ばれる怪盗が富豪の家から金品を盗み去るという事件が頻発。
その怪盗ゴディバに挑戦する探偵ロイズは子どもたちのヒーローだ。
ある日リンツは、自分が持つ地図が怪盗ゴディバ事件の鍵をにぎるものだと確信する、
彼は探偵ロイズに知らせるべく手紙を出した…
376ページ


ミスタリーランドという叢書のために漢字にはふりがなが振ってあり、
文字の大きさもかなり大きいのが特徴です。
今までこの叢書の作品はいまひとつピンとこないものが多かったために
それほど期待しないで読み始めたのですが
これはかなりひねった作りになっていて、
どんでん返しも多く待ち受けていて予想以上に楽しめました。


正直前半部分はどうしようかと思ってしまうくらいの退屈さでしたが
なんともねじくれた大人達と間抜けすぎる行動には笑わされますし、
表面上と実際の人物の違いを見せ付ける展開には乙一らしさを感じさせます。


これだったらちゃんと子供が読んでも楽しめることでしょうし、
それでいて大人も楽しむことができるという
このレーベルの趣旨にそった内容だったといえるんじゃないでしょうか。


でもほんまもんの乙一はこんなもんじゃないと思う。
★★★