天涯の砦 (小川一水 / 早川書房) ISBN:4152087536

天涯の砦

地球静止軌道上のステーションで起きた破滅的な大事故。
虚空へと吹き飛ばされた一区画に、わずかに生き残った人々がいた。
「天涯の砦」に隔離された者たちの、絶望的な真空との闘いが始まる。
285ページ


ハヤカワJコレクションを買ってまで読むのはやはり作家買いなのですが
今作は過去作と比べるとイマイチのりきれませんでした。


今回は登場人物が多く、かついろんなところに分散しているのですが
どうも魅力のあるキャラクタが少なくて、
それほど感情移入できないというか、個性はあるのですが魅力的じゃないのが残念なところ。
魅力あったのが主人公である二ノ瀬ともうひとりくらいなのでどうにも微妙。


しかし「第六大陸」に続いての宇宙という場所を生かした緊迫感はやはりものすごく、
特に事故発生直後のシーンなどは壮絶で、
読んでいるこちらの背筋も凍りつきそうでした。


内容は事故からの生還がテーマになっていますが
どうも世界背景があって、そちらの社会派的な内容もはらんでいます。(そちらはなにも解決してませんが)
こんな要素まで詰め込む目的はよく分かりませんが、
続編があるならばそちらのほうも期待したいところです。


やっぱり読みやすい
★★★