「家に棲むもの」(小林泰三 / 角川ホラー文庫)


収録作品中約半分が書き下ろしのホラー短編集。
7編収録、250ページ。
作品中にSF的な要素をもぐりこませることの多いかたですが、
今回の短編ではあまり見られなかったのが少々意外でした。
ストーリー抜粋はなしで感想のみで。


「家に棲むもの」
霊感ものかと思ったら全然違いました。
そんなところに!
「食性」
お得意のスプラッタもの。
さすがにそんな心境にはなれないです。
「五人目の告白」
最初読んだ時は矛盾だらけで理解できなかったのですが、
二回目で話を理解できたとき、全く矛盾点がなくなっていたのには驚きました。
「肉」
関西弁による漫才ホラー。
読みおえて真っ先に浮かんだ言葉は「嬉しいんかい!」
「森の中の少女」
すっかりだまされました。
「魔女の家」
こちらも小林氏お得意の日常→非日常系。
立ち所がだんだんなくなっていくさまはやはりすごいです。
「お祖父ちゃんの絵」
悪気がないというのは始末がわるいですね。


普通の世界に混じっている異常な人間、
そしてその人に翻弄され、飲み込まれるといった作品が多く、クラクラします。


すごいことになってますな。
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