「風雲児たち 幕末編 3巻」 (みなもと太郎 / リイド社)

江戸時代末期、いまだ鎖国を続ける日本だが、
さすがに世界情勢と無縁でいられるわけもなく
列強各国は様々な思惑を胸にひめ、通商を求めてやってくるのだった。


待望の新刊、次々と巻き起こる事件の前に物語のスピードは落ちていて
さんざんやって嘉永五年から六年にかけての一年間しか進みませんでした。
しかし、歴史的にこの一年(正確にはこの次の一年にかけてかも)は大事件が続いているので
やややむをえないところでしょう。
この巻のクライマックスはやはり嘉永六年のペリー艦隊の浦賀来航でしょう。
さんざん語られるここまでの幕閣達のことなかれ主義は筆頭老中阿部正弘をてこずらせますし、
この難局を乗り切った手腕を見ることになるであろう次巻がとても楽しみです。
結局、こういった人物ほど早死にするというのがなんとも皮肉ですね…
鳥居耀蔵なんかがまだ蟄居の身とはいえ生きているわけですし)
ペリーと対比して描かれるプチャーチン(ロシア)の態度も面白いです。