「うつくしい子ども」 ISBN:4167174057 (石田衣良 / 文春文庫)

ぼくは三村幹生・14歳、中学2年生だ。
先日、ぼくが住む町で行方不明だった小学3年生の女の子が殺されているのが発見された。
犯人は数日して捕まった、だけど事件はそれで終わりじゃないんだ。
ぼくは犯人がそんなことをした理由を知らなくてはならない。
何故なら、ぼくは犯人の唯一の兄なんだから…
280ページ。


酒鬼薔薇少年事件をモデルにした作品と思われ、事件背景などはそっくりです。
そのような事件を第3者的視点で描くのではなく、
全くの当事者、いや加害者の関係者を主人公に据えて描くという形を取り、
報道被害や間違った社会的制裁等への非難も込めたメッセージ性の高い作品で、
面白すぎてあっという間に読んでしまいました。


やや最後が非現実的になってしまった感はあるものの
しっかりと地に足がついた展開は安心して読める内容でしたし、
心優しい主人公と少年と彼を支える友人達の関係を見ると
やはりそういった友人達も当人の心の鏡でもあるのかなあと感じました。
やっぱりおすすめです。