「マルドゥック・スクランブル The Third Exhaust─排気」 ISBN:415030730X (冲方丁 / ハヤカワ文庫JA)

未来を消された少女・バロットが失われたものを取り戻す闘いを描いたSF。
370ページ。


前巻に引き続いて、カジノにおけるギャンブルシーンと
ラストのビジュアルチックなアクションシーンがこの作品のキモですが
あいだあいだに生き方や考え方を示唆する内容が含まれた
やや抽象的な会話がはさみこまれて少しぼかされた印象。


個人的にはアクションシーンをもっと多くしてほしかったな。
特に最後のアクションはそれ以前のブラックジャックにおける戦略と
シンクロするような内容になっていたにもかかわらず
中途半端に終わってしまったようでちょっと残念。


しかし
作者の「ただのSFにはしないぞ」といった気迫が伝わってくるような
勢いと情熱のこもった作品でした。
しっかりとした印象を残してくれる作品だと思います。
おすすめ。


ブラックジャックの魅力もしっかり伝わってくる内容だったのがうれしかった。
ゲーセンで『Black Jack H.A.』を遊びたくなりました。
ディーラーが16以下の時は必ずヒットしなければいけないというのは
初めて知りましたよ…トホホ。