「墜落!からの生還 生存者が語る航空機事故の真実」(マルコム・マクファーソン 山本光信 / ヴィレッジブックス) ISBN:4789720721

主にアメリカで起きた航空機事故の生存者へのインタビューを集めたノンフィクション。
350ページ


著者は、航空機事故での生還率は高いと主張していますが、
読めば読むほどそういった事実は感じられませんでした。
乗客というものは、基本的にこういった事故においてできることは限られていて、せいぜい衝撃に対する姿勢をとるくらいです。
そういったことからかんがみても、パニックドキュメントものとしての側面しか持たない本かもしれません。


トラブルに対して懸命に対応しているさまが感じられる、この本の姉妹編にあたる「墜落!の瞬間」のほうが(やや不謹慎な表現になりますが)読み物としては
いいかもしれません。
航空機事故というものは、確率としては低いものの、起きてしまうと被害があらゆる意味で甚大です。
ありとあらゆるフェイルセーフにもかかわらず、こういった事故が起きてしまうということは、
対策のたてかたというものがいかに難しいかということを実感させられます。