「幽霊狩人カーナッキ」 (ウィリアム・ホープ・ホジスン / 角川ホラー文庫) ISBN:4042700012

幽霊騒ぎ等の不可思議な心霊現象を解決するゴーストハンター・カーナッキ。
その事件の顛末を彼は暖炉そばの椅子に腰掛け、ゆっくりと話し始める。
9編収録、320ページ。


ゴーストハンターというと、心霊現象を華麗に解決して、
しかもいろいろ強いというイメージだったのですが、
このカーナッキに関しては全くそんなことなくて
知識は豊富なものの、実際の心霊現象にはかなりビビッていますし、
あまり格闘とかは強くなさそうです。
事件ではほとんど致命的に近いミスを犯してしまい、
依頼者だけでなく自分までも生命の危険にさらされていたりと
その完全無欠ではない人間臭さに親近感を覚えるような人物なのが印象的でした。


実際の事件に関してもバラエティに富んでいて
この世ならざる神に近い、むしろ邪神のような怪物が相手の話や
全く怪奇現象ではない、いわばミステリのような話まであって
その意外性も楽しめる内容でした。


もっと他の作品も読みたいのですが、かなり困難な模様。
ちょっと残念です。