第四解剖室 (スティーヴン・キング / 新潮文庫) ISBN:4102193359

第四解剖室

作者が自分の経営するラジオ局のドラマのために書き下ろした物語を集めた短編集。
もとは1冊にまとめられていたものを日本むけに2分冊となっています。
6編収録、390ページ。


表題作のタイトルとあらすじにそそられて購入したのですが、
ちょっと肩透かし気味で、正直ホラーとしては物足りず、
サスペンスとしては緊迫感が足りないように感じられます。


表題作である「第四解剖室」は体中が麻痺してしまった男性が
意識はあるのに解剖台の上にのせられて医師に解剖されるというホラーなのですが
なんとも物語は意外な方向へ走り去ってしまいます。
違うものを期待する人のほうが多いと思うのですが、どうか。


その他の作品ではノワール小説を思い起こさせる作品が多く、
そういったものを読みたいかたにはいいかもしれません。
しかし最後に収録された「エルーリアの修道女<暗黒の塔>外伝」は
ファンタジーサスペンスなのでそこらへんは注意です。
個人的には「死の部屋にて」がよかったです。


ちょっと期待とはずれてしまったのが残念です。
★★