ナナカド町綺譚 (須藤真澄 / 秋田書店) ISBN:4253104169

ナナカド町にある七つの角には、ちょっと風変わりな人が住んでいる。
最近この地に越してきたなのはは、角の探検を始めてみたのですが。


うーん、やっぱすごいな。
どれもまさに綺譚という言葉がふさわしい物語ばかり。
ナナカド町ではそれぞれ
はくせい屋
ぶらさがりおとこ
焼きナス大好きサボテン
理科の先生に化けてる宇宙人
いつかオレンジ色の魚になるおねーさん
笑うほたるおじさん
おふろやの臨死おばさん


というテーマがあるのですが
ネタそのものはそれひとつだけでなく、
そこにありとあらゆる不思議な物体や現象をとりまぜているところがまた素晴らしい。
どうしてこんな発想ができるのか不思議です。
生粋のファンタジー作家というものの実力を味わえる作品集でしょう。


だけど物語の出来としては後半に収録された「アメイジング・プレイス」のほうがいいですね。
こちらも純粋なファンタジー作品です、
さすがに須藤作品未経験者にはお勧めできないですが、
この作者の作品が合っているなと感じられたらお勧めできますよ。


★★★★
現実世界と表裏一体になったファンタジーを味わいたい方に。