エマージング 1巻 (外薗昌也 / 講談社 モーニングKC) ISBN:4063289818

エマージング 1巻

新宿で、ある男が大量の血を吐き、謎の死を遂げる。
検死結果はウイルス性の感染症との結果が導きだされ、
その血液は日本で唯一のバイオセーフティレベル4の施設を持つ
国立伝染病研究所へ持ち込まれる…


エマージングウイルス。
聞いたことのなかった言葉なのですが、これは「新興ウイルス」という言葉だそうで、
つまりは「未知のウイルス」のことです。


今までの外薗氏の作品はやや超自然的な現象を描くことが多く、
あまり現実味のないものが多かったのですが
今度の作品は超現実的といった印象で、うすら寒いです。


ここ数年新たに発見される感染症は現実的な対応策が見つからず
できることは隔離のみといった感じなのですが
それが唯一の対応策であり、頼るは人間が持つ免疫力のみであるというのも怖いですし、
施設を持ちつつも使うことのできないジレンマといったことなどもあって
そういった、日本の置かれている感染症への認識の生ぬるさにも愕然とさせられます。
まさに警鐘を鳴らしているような作品、
非現実的な方向へと進まないことを希望しています。


★★★