しゃばけ (畠中恵 / 新潮文庫) ISBN:410146121X

しゃばけ

江戸有数の廻船問屋・長崎屋の一粒種。一太郎はめっぽう体が弱く外出もままならない。
そんな彼がある夜人目をしのんで出かけたところ、人殺しを発見してしまい、
彼自身も殺されそうになってしまう。
そんな危機を救ってくれたのはいつも彼の周りにいる妖怪だったのです。
第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。
342ページ


これぞまさに日本のファンタジーといった感じです。
江戸の街において妖怪達と会話ができる若主人の探偵もの…
といった感じになっていないところもなんだか読者を煙に巻いているようで面白い。
それでいて神様まで出てきて(密かに)シビアな選択を選らばせたりと
適度な緊張感もあったりしていたりとなかなか読ませる。


殺人事件のほうは一太郎は体が弱いせいで
実質安楽椅子探偵になっていて、実際に目の前で事件が起きずに
事件があったことを一太郎が又聞きしてそれも推理するという展開になっているのも変わっています。


なんにしろふんわりとした読み心地は気持ち良かったです。
★★★