『ギロチン城』殺人事件 (北山猛邦 / 講談社ノベルス) ISBN:4061824163

ギロチン城殺人事件

人形塚に残されていた「Help」という文字を書く人形と女性の写真。
この人形の出所である、いわくつきの「ギロチン城」へ赴いた自称探偵のナコと学生の頼科は
236ページ。


作者の物理の北山猛邦氏はトリックの名手ということなのですが
これがどういった意味なのかはあんまり分かっていないのでご容赦を。


まあ要は「ンなアホなー」と言わせたいだけの作品なのかなーといった印象。
出てくるキャラクタは記号的で感情移入というものを排除するような描き方をされていますし
そろいもそろって同じような印象しか残さないというのも不気味でした。
人が死んでいるわりにはいつもと変わらないように生活を続けるのにも
なんだか違和感が残りますし、どこにも現実味が感じられないのが不満でした。


まあそんな感慨も最後の大仕掛けでひっくり返されてしまうわけですが、
まさしくそれだけに凝縮された作品なのかな、
なんだかいびつな作品です。
もうちょっと読んでいて楽しい作品にしていただきたいところです。


★★