アムネジア (稲生平太郎 / 角川書店) ISBN:4048736418

アムネジア

消された名前、チョコレート・ケーキ、闇金融、かみのけ座、殺人、奇妙な機械……
優しく残酷に侵食されてゆく現実の果てに、僕は何を見る?
246ページ。


日常の裏に隠された得体の知れない世界、というものを描いた幻想物語です。
幻想的、というよりは実際の裏世界や暴力的な側面が現実世界とは表裏一体、といった雰囲気で
モチーフはいいのですが、どうもしっくりこない。


個人的には隠されていた世界は想像もつかないものだった、
というものを期待していただけに
なんだか妙に現実的なものを見せられて拍子抜けしたかな、
もっと変なものを見たかったですよ。


しかしこの日常の裏に隠れたなにか分からないもの、という世界観はやはり好みでして
ホラーや幻想といったジャンルは読んでいてワクワクするものです。
★★★