川を覆う闇 (桐生祐狩 / 角川ホラー文庫) ISBN:4043703031

川を覆う闇

警備会社に勤務する土岐が依頼されたある女性の捜索。
女が住んでいたマンションの一室は、集積したゴミが汚泥化した、
想像を絶する汚濁の部屋だった――。
292ページ


うはー、最低だ。
題して「ナスティ・ホラー」と呼ばれるジャンルになるそうで
その内容は汚らしいという言葉も裸足で逃げ出すお下劣さ。


小説全体を覆うのはゴミと虫と汚物と排泄物で、
繰り広げられるのは不浄神と浄神の闘いなのですが
物語中では圧倒的に不浄神が優勢なので内容はこんなおそろしいものに。
しかし浄神側もその徹底した不浄なるものへの憎悪が
またエキセントリックで針の振れかたがどうにも極端です。


序盤では不浄な一部の世界がなんと社会の常識へも作用した世界のさまは
なんとも異様すぎてこちらが圧倒されます。


しかしラストにかけてはこの異様な世界からの脱却は
ちょっと納得のいきづらいものでしたし、
神に頼り切った物語はちょっと不満も残ります。
まあ物語を読むのではなく下劣描写を楽しむ(楽しむのか…)ものなので
そんなことは気にしないほうがいいのかもしれませんが。


とにかく異様、しかしホラーではないよなあ…
★★★
ははあ、これがモデルなんですか…
http://x51.org/x/06/02/2333.php
まあ全編こんな感じだと考えてもらって差し支えないです。


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