月光とアムネジア (牧野修 / ハヤカワ文庫JA) 月光とアムネジア (ハヤカワ文庫JA)作者: 牧野修出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2006/08メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 15回この商品を含むブログ (66件) を見る

60年もの間、誰にも姿を見られることなく殺人を重ねてきた伝説の殺人者、町田月光夜が「レーテ」に入った。
「レーテ」とは入った者の記憶を三時間ごとにリセットしてしまうという現象を起こす空間である。
ここに月光夜を追っていく捜索隊、この一隊員である漆他山が遭遇する事件と彼を巡る事件の顛末を描く。
281ページ


独特の設定に対してほとんど説明もないまま進んでいくのですが
それに上乗せさせるかのように独特の言語感覚や妄想が現実かも区別かつかない物語に
ちょっとクラクラさせられますが
勢いと改行で読み進ませる内容にはそれほど疲れを感じさせません。


特に言葉関連は面白くて「どうしたのであるか」とか癖になりそうです。
物語はどうしても三時間ごとに繰り返してしまうような感じで
どうしてもそのモタつきかげんにちょっとイライラしますが
読んでいるこちらはその物語の齟齬にひっかかりを覚えるわけで
そこらへんは仕掛けがうまく動作しているようです。


特に「レーテ」発生の意味などは想像の外で驚かされてのは事実です。
まあそれにしてもこの座りの悪さはどうか、
それでもちょっとすっとしてしまったのは事実なんですよね…


やはり自分の趣味ではないが…
★★★