七姫物語 第四章 夏草話 (高野和 / 電撃文庫)

七姫物語〈第4章〉夏草話 (電撃文庫)

七姫物語〈第4章〉夏草話 (電撃文庫)

ある大陸の片隅、東和と呼ばれる地では
七つの主要都市が先王の隠し子と呼ばれる姫を擁立し、覇を競っている。
三宮ナツメと同盟を結び、ひとときの平和をもたらし、
七宮カセンの空澄姫はクビになるのだった。
312ページ。


前巻はやや視点が高いところになってしまい、
それまでの空澄姫から見た物語という色が弱くなってしまっていたのですが
今巻は元に戻ってまたしても空澄姫からの物語になっています。
この作品の特徴はここにあって、血生臭い面もあるはずなのですが
そんな感じを持たせていないところにあります。
きれいごとで済まそうという話ではないのですが
この独特の清涼感は他の作品では感じられない独特のもの、ここがいいです。


読み始めた時はさすがに久々なので登場人物の名前がいまいち思い出せなかったのですが
それほど重要人物の数が多くないのが幸いして読んでいくと思い出せます
さすがに似た名前が多いのは困ったものですが…


この巻で物語の行き着く方向もしっかりと見据えたものになっています。
それは空澄姫自身が選んだ結果でもありますし、
周囲の人々が選んだ結果でもありますが。
とにかく他都市の姫の描写もかなりされていて人物像が捕らえやすくなってきました。
次巻も楽しみです。


★★★