ロミオとロミオは永遠に (恩田陸 / ハヤカワ文庫JA)

ロミオとロミオは永遠に〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)

ロミオとロミオは永遠に〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)

ロミオとロミオは永遠に〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)

ロミオとロミオは永遠に〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)


近未来の地球、日本人は唯一地球に残り、
科学物質や産業廃棄物の処理にあたるという役目を担わされていた。
サブカルチャーを否定された世の中でエリートへの道は
「大東京学園」に入学し、卒業総代となることなのだ。
苛酷な入学試験を勝ち抜いたカナザワアキラはアカシシゲルという親友を得て
学園に隠されたもうひとつの顔を見ることになる。
436ページ、404ページ。


いつもの恩田作品で、読んでいるあいだはいろいろと楽しいのですが(今作は悪ノリしている感じ)
どうもラストで首をひねってしまうというもの。
特に前半部分がタルいため、挫折してしまいそうでしたが
とりあえずは学園からの脱出を信念とする新宿クラスの面々が顔を見せ始めると
その独特の個性のおかげか面白いと思えるようになってきます。


他作品のようにフワフワとしたファンタジー臭はなくて
しっかりSFしてはいるのですが別にSFじゃなくても…(オチ除く)
といったふうなのは微妙なところ。


面白くなるのは後半の新宿クラス脱出作戦と
悪ノリ最高潮の「大東京オリンピック」のくだりで
ここはかなりハラハラさせてくれます。
しかし相変わらずの伏線未消化なところや
オチの弱さが手伝ってインパクトは弱いものになってしまいましたね。


上巻は
★★
下巻は
★★★