塩の街 (有川浩 / 電撃文庫) ISBN:4840226016

塩の街

巨大な塩の塊が降ってきたその時から次々と人が塩の塊と化していくようになった世界。
人類社会は崩壊し、残された人はなにを思うのか。
そんな東京でひっそりと暮らす秋庭という男と真奈という少女の前に現れる
様々な人々と彼らが残した波紋を描く連作短編集。
6編収録、300ページ。


今話題の有川浩氏のデビュー作。
電撃にはよくあるタイプのちょっといい話がいくつか入った連作短編集なのかなと思っていたら
そんな予想をかっちり裏切ってきました。
ははあ…そうきますか、ちょっと驚きでしたね。


まあ具体的な展開は伏せますが、ちょっといい話だけで進めるのではなく、
恋愛ものに真っ向つきすすんでいったのはなんとも豪腕といった感じです。
特に後半はそれほど主人公二人の心情だけで語るのではなく、
脇役からの行動やセリフなどで主人公たちの内面を浮かび上がらせているのが印象的。


あまりに豪腕すぎてびっくりしてしまいました。
★★★


護くんに女神の祝福を!