トリックスターズ (久住四季 / 電撃文庫) ISBN:4840230641

トリックスターズ

魔術が具現化している現代日本において国内唯一の「魔学部」のある城翠大学に入学した天乃原周は
イギリスから招かれた世界に六人しかいない魔術師のひとり、佐杏冴奈のゼミに配属される。
しかし大学の入学式で
『我は、今この会場内に集まった諸君の中から生贄を選定し、処刑することをここに宣言する』
という謎の予告が発せられ、予告通りの事件が起きてしまう。
周は冴奈のワトソン役となり、この事件の真相に迫る。
425ページ。


なかなかうまいです。
魔術が決して万能ではないと言明して、その論理も細かに説明されているので
卑怯なところもないのですが、できることに関しては完璧なのでそこらへんが微妙かな。
まあ全てにおいて突破口は用意されているのは感心しましたが。


全部で7つの謎があると言明されているのですが
正直主人公がらみの2点に関しては分からないだろうというものですし、
そのうちでも最後の謎は本編とはやや乖離してしまっていて
必然性が感じられなかったのが微妙なところ。
騙され感は残りますがあんまり面白くなかったです。
どうせなら本編にこのことが絡んでいればね。


肝心かなめの謎のほうは面白く考えさせながら読ませる構成になっていて
そこらへんには感服、お見事でした。
★★★★