殺人交差点 (フレッド・カサック / 荒川浩充 / 創元推理文庫) ISBN:4488173012

殺人交差点

「殺人交差点」「連鎖反応」の2作を収録した中編集。
327ページ。


驚愕のドンデン返しを味あわされるミステリ2編。
なにかある、と確信していても想像の外側から示される真実に脱帽です。
個別に感想。


「殺人交差点」
十年前、殺されて死んだボブ。
殺したのはビオレットではなく、わたしだったのです…
164ページ。


これは確かに意外な物語でした。
要はオチのつかかたがあまりに見事で、想像もしてませんでした。
登場人物はけっこう多いのですが実は話にかかわってくる人物は少ないので
かなりすっきりまとまっています。
それでもあっさりだまされましたけどね。
しかし、私と同じような誤解をしていたというのも驚かされますね。


「連鎖反応」
ジルベールは、同じ会社のダニエルとの結婚が決まり幸せの頂点にいた。
愛人であるモニクに別れ話を持ち出したところ、彼女が妊娠しているということが判明して…
152ページ。


まず事件の発生する方向がとんでもないのに驚かされますが
そこから発生する玉突き衝突のようなくだなさすぎる事件におかしさを禁じえませんでした。
オチはこちらもとんでもないもので、話はこちらのほうが好みですね。
しかし作者は意地悪ですよねえ…


翻訳ものにしてはよみやすいのもよかったです。
★★★★