ある日、爆弾がおちてきて (古橋秀之 / 電撃文庫) ISBN:4840231826

ある日、爆弾がおちてきて

空から落ちてきた女の子は昔好きだった女の子にそっくり、
しかし彼女は「新型爆弾」だというのだった…
という表題作をに代表された
フツーの男の子とフシギな女の子のボーイ・ミーツ・ガールがテーマの短編集
7編収録、253ページ


まさかこんなSF作品集だったとは…
ちょっと驚きました。


イデア1点勝負でお話をまとめているのでかなり読みやすいです、
以下個別にひとこと感想です。


ある日、爆弾がおちてきて
もうちょっとハラハラさせてくれたほうがよかったなあ。
男の子の心理がこちらに全く伝わってこないからね…


あとはもっとギャグ成分を増やしてしまうとか、
特に彼女の成分は爆発物なので転ぶと周囲に爆発が広がるとか、
なんてくらいでもよかったかも。


「おおきくなあれ」
つうか、高峰さん(女の子)は大きくなっても慎一くん(男の子)は理解できるのね…
そしてそれは逆にもあてはまるのかあー。
ふーん。
好みです。


「恋する死者の夜」
この作品だけは毛色が違うわけですが
こうなったらもっとホラーテイストに仕上げてしまってもよかったのではないかと。


「トトカミじゃ」
これだけはSFではないですね、
まあライトファンタジーで間違いないでしょう。


「出席番号0番」
一番スラップスティックな物語になりそうなネタなのですが
それほど混迷な物語にならないところが物足りない。
ああ、もっとドタバタさせてほしかったー。
ページ足らないか。


「三時間目のまどか」
こうしてなにげなく結果が示されることが多い作品集でしたが
この作品の着地のさせかたが大好きなんですよね。


「むかし、爆弾がおちてきて」
なんかこれはいろいろと無茶というか、無理そうなんですがー。
こういう一方通行のタイムマシンならではの悲劇を
悲劇でなくしてみせるといったらいいのか…
いや、しかしなんか納得いかないというか、なんか違うんじゃないかと…


時間SFの奥深さを味わえますよ。
★★★★