白菊 (藤岡真 / 創元推理文庫) ISBN:4488436021

白菊

銀座で画廊を経営しながら、超能力探偵としても活躍する相良蒼司。
とはいえ実際に超能力などあるはずもなく、アシスタントの宝生志摩子が調べてきた情報を元に、
推理を積み重ねて真相を言い当てているに過ぎなかった。
そんな彼の元に大学教授が「白菊」というスケッチを持ち込んだ…
310ページ。


ミステリというものは作品中で世界が反転する出来事さまが楽しみだったりするわけですが
序盤で「白菊」の謎があっさり解読されてしまうというサプライズはあったものの
内容はどうということはなく、記憶喪失の教授の妻が謎の行動をするばかりで
普通のミステリかなと考えていたわけですが
後半になってある謎に対しての回答が示された瞬間
「そんなん納得いかねーよ」と声に出してつぶやいてしまったところ
作中の人物までもが似通ったセリフを繰り出してきたときには
このシンクロっぷりにしてやられた気分にさせられました。


正直こんな読書体験した¥ことはあんまりなくて
こんなにまで物語に入っていたのかと思うとちょっと笑わされてしまいましたね。


主人公の渋さにはなかなか好感が持てますよ。
★★★★