単行本
願いは心の底から真剣に望めばいつかは叶ってしまうことが分かる話が詰まった奇想コレクション第5弾。 8編収録、381ページ。 再び刊行が始まった奇想コレクション。 とりあえず過去4冊は全て読んでいますので、これからの刊行にもつきあっていきたいです…
最強の吸血鬼であるヨブは少女ミカと出会い、血を吸うことをやめた。 そんな彼をつけねらうストーカー・J。 彼らの戦いに人間の対吸血鬼組織「コンソーシアム」のランドルフがからみ 大規模かつ凄惨な戦いが始まろうとしている。 313ページ。 う、うーん。 …
人類を悲惨な運命から救うべく、国連に歴史の介入点に選ばれた1936年2月26日、東京。 時間遡行によって歴史を修復するため選ばれた安藤大尉らには別の思惑が…。 444ページ。 2.26を使ったSF作品ですが、なんか微妙。 魅力的な設定をうまく生かしきれなかった…
オカルト探検サークルの六人は山荘「ファイアフライ館」で肝試し。 そして嵐。呪いのように起こる第一の殺人。 350ページ。 麻耶雄嵩氏の作品は初読。(以前「スニーカ・ミステリ倶楽部」に収録された作品は読みましたが) 大ネタ炸裂、こんなやり方は私は読…
作者の長編「神は沈黙せず」 ISBN:4048734792 の原案となったのであろう短編集。 ジャンルはSF・ホラーの部類でしょう。 5編収録、265ページ。 なかなかお見事でした。 以下順番に。 「闇が落ちる前に、もう一度」 ある重大な事実に気づいてしまった研究者…
「先生、俺、きっと頭が変なんです」―精神科医マシューズの診察室に現れた青年は、 真っ赤なハイビスカスを髪に挿していた。 そうしていると小人が一日十ドルくれるというのだ。 青年の話に興味を惹かれたマシューズは、彼と同行してその小人に会いに行くが…
高校生活の総決算を意味する一大イベント「歩行祭」 夜を徹して八十キロを歩き通すというだけのイベントである。 三年間わだかまっていた想いを清算すべく、あたしは一つの賭けを胸に秘め、当日を迎えた。 342ページ。 最初は「死のロングウォーク」(スティ…
正しいようで、どこかゆがんだ世界を描く短編集。 16編収録、320ページ。 つかみどころがない。 これが読み終えたあと真っ先に出てきた言葉です。 変な事実があって、それがだんだんとエスカレートしていく。 こういった表現方法は漫画ではよくあるのですが …
ピラミッドに魅せられ、考古学者となったジェディはタイムマシンの開発に成功し、 クフ王統治下にあるエジプトにやってくることに成功する。 そんな彼の前に繰り広げられていたのはピラミッドの発掘作業をしている現場だった。 250ページ。 はったりのきいた…
短編集のふりをした長編小説です。帯のどこかに“短編集”とあっても信じないでください。 伊坂幸太郎 5編収録、287ページ。 短編集の形態をとっていますが陣内を主人公とした連作短編集ですね。 学生時代の陣内、そして家裁調査官となった陣内が時系列入り乱…
終戦間近のフィリピン戦線。 鳴神中尉率いる小隊の敵は、アメリカ兵でもゲリラでもなく、 「飢え」だった…。 310ページ。 今一番文庫化してほしい作家なんですが、まだですかね、講談社さん。 ほとんど私と同世代の方がこういった作品を描きだせるというとこ…
第一特集「Grand Theft Auto Vice City」 先日発売された『グランドセフトオート バイスシティ』(PS2 / カプコン / 3DACT) ASIN:B0001P2K4I の特集記事。 過去作品からマップ、サウンドトラックレビューとバラエティに富んだ内容で もうちょっとプレイ日記…
芥川賞・直木賞からローカルな文学賞まで50を越える賞を様々な視点から批評した対談本。 390ページ。 作者二人のかけあい対談で進められる内容は謎の多い選評を あげつらうものが多く(特に芥川賞と直木賞について)、 まあよくとらえているなあと感心させら…
大家の意外な短編を日本独自の編集で発売する企画ものの奇想コレクション。 その奇想コレクションの第一弾。 7篇収録、340ページ。 ダン・シモンズといったら「カーリーの歌」や「ハイペリオン」といった作品が思い浮かびますが この作品集では社会派のよう…
奇妙な世界を背景にした短編集。 13編収録、200ページ。 まず最初に本を見て驚くのは文字が大きいこと。 まるで児童書のような大きさで、イラストもはさまっているので 意外と読み切るまでの時間は早いと思われます。 収録された作品は話のオチでうならせる…
大学の建築課に通う平口捷は同級生でありながら天才芸術家の烏山響一に招待され 同時にやはり響一に招待された律子とともに 熊野の山中に建設された野外美術館へと足を踏み入れた。 雰囲気作家、という言葉を作るとしたらやっぱり恩田陸氏の作品が真っ先に頭…
主な初出が1930年代という半世紀以上前のものがほとんどのSFを中心とした短編集。 傑作揃いの作品が詰まった奇想コレクションシリーズ第4弾。 9編収録、357ページ。 これまで読んだ奇想コレクションシリーズはSFとしてのテイストは弱めで どちらかというと…
天才人形師・如月まゆら、小劇団の看板女優・聖子、人形しか愛せない男・小野寺了。 まゆらが作り上げた聖子そっくりの人形に惹かれる了に聖子が出会い、物語は動き始める。 325ページ。 作者の作品は日常系の短編ミステリという印象ですが、 この作品はサス…
SFというよりは、人間の持つ力のドラマという言葉がふさわしい、 「奇想コレクション」第二弾の短編集。 10編収録、360ページ。 解説だけで30ページくらいあるのも珍しいですね。 しかし、これがあるおかげで作品に対する 思い入れもやや違ったものになりま…
SFというカテゴリにおさめてしまうのはもったいない 「奇想コレクション」第三弾の短編集。 8編収録、380ページ。 これはこれは、外れなしの短編集って久しぶりですなあ。 いきなり爆笑必至の「熊が火を発見する」「アンを押してください」から始まって、 …
1991年・春。 高校三年となった守屋路行は学校の帰り道、ある少女に出会う。 マーヤというその少女は東欧から見聞を広めるために日本にやってきたという。 彼女は彼の友人たちとともに様々な謎に遭遇し、 日本の文化を見つめ直す機会を得る。 そして最大の謎…
隣に住む真鍋さんはぼくに何でも教えてくれ、そしてなんでもできる人だった。 印刷工場を経営する彼はまた、納屋に透明人間になれる薬を作る機械も持っているのだ、 そんな中、真鍋さんの知りあいの女性がまるで透明人間に連れ去られたかのように消えうせて…
奇想、という言葉がぴったりの読んでいて楽しい短編集でした。 こちらの本よりも、第一短編集である「壜の中の手記」 ISBN:4794927320 の評判がいいですね。 読んでみたくなりました。 13編収録、285ページ。 正直中味はバラつきがあってコメントには悩みま…
大学入学が決まった椎名が、越してきたアパートで最初に出会ったのは猫、そして河崎という男。 彼は「本屋を襲わないか」と持ちかけられ、当然断る事になるが、 いざ決行の当日、本屋の裏口でモデルガンを構えていたのだ… 物語は椎名が語り部の「現在」パー…
獅見朋成雄(シミトモナルオ)は背中に鬣を持つ中学生。 たぐいまれな運動神経を見込まれて、オリンピック代表選手の強化合宿に誘われるものの なんとなく断ってしまう。 そんな時、書道の師であり、遊び相手でもある モヒ寛が何者かに襲われて瀕死の重傷を…
あれ? 発売は昨年だったのか… 連城ミステリは実際におきていることが単純なんですが それを複数の視点から見せることによって複雑化してしまっています。 読むのにやや苦労させられますが 最後に明らかになる真相と結末には驚愕とさみしさを禁じえません。 …
連作短編というものはやはり読みやすいのですが 主人公の二人がそれぞれへの好意を認識していくさまがなんとも微笑ましく、 そしてそれぞれの考え方や社会への見かたもが変わっていくのが こちらのほうも心地よくなってきましたね。 そして本当にドラマチッ…
読む前は圧倒される上下巻それぞれ650ページですが 読み始めればそんなこと考えているひまはありませんでした。 幻界の表現に不安を感じたのもつかのま、 あっという間に真っ直ぐなキ・キーマやしっかりとしたミーナという仲間に恵まれ、 ふらふらとしながら…
エルサレムは目覚めた。 そしてあらゆる呪縛から解き放たれるために、動き始めた。 すげえ、ファンタジーだったんだ。 まあ最近になってこういった現代小説を読み始めたので 作者がどういった作品を書いているのか知らないわけです。 (すっと歴史小説ばかり…
アメリカ中西部に隠れ住む魔物の一族、「エリオット一族」を描いた連作短編集。 23話収録、230ページ。 作者が長年にわたって書き続けてきたシリーズなので、正直あんまり内容に統一感がないのがおしいです。 登場人物のひとりに、一族にひろわれて育てられ…